やなぎょん 政治経済を勉強中!

最近は「政府の財源」について勉強しています.勉強不足・間違いがあるかもしれませんが,あくまで備忘録として公開していきます.経済のエキスパートの方からは,是非優しいアドバイスをお願いします.

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

番外編 ウォーレン家と山田家

米山隆一氏が「山田家の肩たたき券によるMMTモデル」を提唱している.このモデル自体はMMTを上手く表したものではない.つまり,MMT批判の材料としては不適切である.だが,これはこれで思考実験としては面白かったので記事を書く. まず先に理解しておくべ…

番外編 MMTでは,予算を毎年大幅に変更する必要があるのか?

以前紹介した米山隆一氏のMMT批判の,コアの部分は 『財政出動(予算管理)でインフレ率をコントロールするのが難しい』 という主張に尽きるようである.「インフレ率コントロールが難しい」という批判は日銀の原田泰氏と似ているので,同じ種類の批判に分類…

14.主流派経済学と「セイの法則」とデフレ

主流派経済学(新古典派経済学)は『一般均衡理論』をベースにしていると言われている[1].セイの法則と呼ばれる,「需要は供給と常に釣り合うように価格調整が起こる」という法則(理念)に基づいているということである. [1] 中野剛志「奇跡の経済教室【…

番外編 1人1000万の税金

思考実験として、以下のものを考えてみよう。 「毎年4月1日に一人あたり1100万円をベーシックインカムとして配り、毎年3月31日に1000万円を人頭税として取る法律を施行する」 ※人頭税=全員同じ金額を納める税金 この状況だと,市中に流れるお金が人口×100万…

13.現金の大量発生とインフレの懸念

以前の記事で述べた様に,MMTの批判的な言説は大きく分けて 国債の大量発行に基づく民間の買い手の資金不足 国債が大量に存在する事による信用不安 国債・貨幣の大量発行によってインフレ・ターゲットが難しくなる がある.1は信用創造に対する極めて単純な…

12.MMT批判者の中には,国民の理性を本質的に疑っている人もいる

※この記事はMMTが分かっている人にとっては全くおもしろくない,愚にもつかないような議論なので,熱心なMMT批判者以外は読まなくて良い. 加谷珪一氏の興味深いMMT批判の記事を見つけたので,私なりにコメントをしたい. この記事では「MMTがなぜ経済学的に…

11.無駄な公共事業とベーシックインカム

再度,中野剛志氏「奇跡の経済教室」でのトピックを取り上げたい.中野氏は【基礎知識編】のp69で 『もちろん,デフレの時の政府の支出は,無駄なものにではなく,必要なもののためになされたほうが良いのは,事実です.(中略)しかし,「無駄な公共投資を…

10.経済的イデオロギーの硬直化が国を滅ぼす

これもどちらかと言うと政治の話である. 基本的な概念は中野剛志氏の「奇跡の経済教室」p53で示されている図をベースとし,独自の考察も行う. 現在の日本の老舗政党[1]の経済政策は以下のように大別できる. 右派:自由競争,グローバル化,格差拡大を容認…

9.格差拡大はインフレに対するブレーキ装置である

ここでは経済の話というよりは,どちらかと言うと政治の話をする. これまで述べてきたのは「デフレ時は,個人消費(家計消費)を財政出動で過熱することでインフレ側に傾かせていくのが正しい」ということである(財源はMMTの所で議論した通り,『税金 ≠ 財…

8.「国の借金」を少しずつ削る方法

ここまで読んだ方は,MMTが実践的だとわかっただろう.もちろん,具体的なインフレターゲットについては,主流経済学の力が必要である.MMTの功績(の限界)は人類に「資本主義に必要なのは高精度・高安定のインフレターゲットを考えることで,デフレを維持…

7.MMTがあれば税金は要るの?要らないの?

これまでの記事を読んでいただけた方は「税金=財源」とする考え方が如何に不要なものか,大体理解していただけただろう. では,夢の「無税社会」は実現できるのだろうか?私個人としては,「無理すればできるっちゃできるけど,税金には非常に便利な使い道…

6.結局,MMTとは何だ?(後半:政策実行)

MMTについての悪い風評としては,「MMT推奨派はとにかく国債を乱造して,何も考えずに平気でいる.財源のことは全く頭にない」だろう.以下に,これが表面的な理解,すなわち風評被害である事を記す. 5で述べたとおり,信用創造の原理から,「信用創造によ…

5.結局,MMTとは何だ?(前半:批判的意見から)

これまでの議論(特に記事3)より,各国政府は遅かれ早かれ国債は乱造される宿命であったとわかった.悪意(政治家の癒着)よりも,原理的に仕方がなかったという側面が強い. では我々はこのまま,借金まみれになって財政破綻するしかないのか?あるいは記…

4.プライマリーバランス戦法は「大失敗」だった

これまで長きに渡り,財務省は「プライマリーバランスの達成」に命がけで取り組んでいる.彼らの努力は尊いものであるが,しかしながら,これが成功し続けると遅かれ早かれ国は滅ぶ.なぜ財務省がプライマリーバランスに命をかけるのかの根拠は【補足2】で述…

3.国債の乱造はなぜ起こったか?

ここでは「信用創造に対する妥当な理解」と基礎的な需供バランスに対する理解だけに基づいて,「国民の借金」が乱造されてきた経緯を理解しようと試みる. まずリンク先の一番上の図を見てみよう.これは1980年から2018年までの「民間の預金残高(マネースト…

2.なぜ消費税こそが「最悪の」税であるか?

『財源論』を主張する人は,基本的に税金を政府の財源とする,という考え方を持つ.このブログでは最終的に,「税金を財源とはしない」ことを提案する.財源=税金 の具体的な批判は後回しにして,まずは税金の中でも「消費税は格差拡大を進行させる究極の悪…

1.政府は民間企業のようにコストカットしてはいけない

以下は中野剛志「奇跡の経済教室【基礎知識編】」の第三章『経済政策をビジネス・センスで語るな』を自分なりにまとめたものである. 一般のメディアは「政府の無駄遣いをやめろ!」と報道する.これは,経済がインフレ状態の時は正しい訴えである.だが中野…

はじめまして

やなぎょんと申します. 最近若者の貧困問題や,少子化問題について関心が高まってきました.これらは自由経済に完全まかせておいたのでは解決しない,政治的に解消すべき問題だと思います.そのさらに根本的な問題は,「国の財源」にあると考えています.ま…